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ArthurClarke

アーサー・チャールズ・クラークSir Arthur Charles Clarke、1917年12月16日 - 2008年3月19日)は、イギリス出身のSF作家。20世紀を代表するSF作家の一人であり、科学解説者としても知られている。

映画化作品[]

2001年宇宙の旅[]

詳細は2001年宇宙の旅を参照

クラークはスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』で映画と関わるようになった。2人は1964年、ニューヨークで会い映画製作で協力する可能性について話し合った。その過程でクラークの短編「前哨」(1948) を元にした物語とすることが決まった。元々はクラーク自身が脚本を書くことになっていたが、キューブリックがブレインストーミングの中で、まずイマジネーションを自由に羽ばたかせるために小説を書き、それに基づいて映画を作ってはどうかと提案した。クラークは後に「そういう形で始まったが、最終的には小説と脚本は同時進行で相互にフィードバックする形で進められた。だから私は映画の試写を見た後にいくつかの章を書き直した。創作技法としては苦労が多いもので、これを楽しめる作家は滅多にいないだろう」と述べている[1]。すなわち「映画原作本」「映画のノベライゼーション」といった関係ではない。映画の劇場公開は1968年4月であり、小説の出版は同年7月である。

最高のSF映画として全世界で高く評価されており、日本の旧文部省が「特選」に指定した唯一のSF映画でもある。

映画製作の忙しいスケジュールの合間を縫ってキューブリックとクラークが小説について協力するのは難しかった。クラークは1964年末に小説の草稿を完成させ、1966年に予定されていた映画公開にさきがけて1965年に小説を出版する予定だった。しかし映画の公開は1968年にまで延び、小説もその後に完成した。小説の作者としてはクラークだけが記された。後にクラークは、キューブリックがクラークの作者としての影響を軽く見せかけるために状況を操作し、小説の出版が後になることで映画のノヴェライゼーションであるかのように見せかけたと不満を述べている。様々な理由から物語の詳細は小説と映画では異なっている。映画には個々の事象についてほとんど説明がない。一方クラークは小説版で全ての事象について因果関係を完全に説明している。ジェームズ・ランディが後に述べたところによると、映画の最初の試写の際に宇宙飛行士が11分間延々とジョギングしているシーン(公開版ではカットされている)を見た後の休憩時間にクラークが目に涙を浮かべて試写室を後にしたという。このシーンはキューブリックのアイデアで、宇宙旅行がいかに退屈なものかを示したのだという[2]

1972年、クラークはエッセイ『失われた宇宙の旅2001』で映画作成時の状況について詳しく説明し、主なシーンの別バージョンについても説明している。1999年に出版された A Space Odyssey の特別版にはクラークによる小説と映画のリリースまでの経緯を詳細に記した文章が序文として掲載された。

2010年[]

詳細は2010年 (映画)を参照

1982年、クラークは「2001年」の続編『2010年宇宙の旅』を出版した。この小説もピーター・ハイアムズ監督で1984年に『2010年』として映画化された。当時の政治情勢を反映し、映画では冷戦がテーマのひとつになっていたが、小説には迫りくる核戦争の危機は現れていない。映画は2001年ほど革命的でも芸術的でもないと言われたが、評価は概ね肯定的だった。その映画化に際してクラークはキューブリック抜きを条件にし、映画の仕上がりに満足したという。

クラークとハイアムズの電子メールのやりとりを含む『オデッセイ・ファイル―アーサー・C・クラークのパソコン通信のすすめ』が1984年に出版された(原題は The Odyssey File: The Making of 2010[3][4]。当時最先端の通信手段だった電子メールを使って、別々の大陸に住んでいたクラークとハイアムズが毎日のようにやり取りして映画の計画や製作について話し合った経緯が綴られている。また、クラークが選ぶベストSF映画のリストも掲載されている。

クラークはこの映画で2カ所にカメオ出演している。1カ所は主人公のフロイド博士がホワイトハウス前で会話をしている背後で鳩に餌をやっている人物で、もう1カ所はボーマンの母の病院でのシーンで、タイム誌の表紙を飾っているアメリカ大統領がクラーク、ソ連書記長がキューブリックになっていた。

作品リスト[]

脚注[]

参考文献[]

  • 『S-Fマガジン』2008年7月号「アーサー・C・クラーク追悼特集2 完全年譜」 (経歴の節)

関連項目[]

  • クラークの三法則
  • SETI@home
  • 浅倉久志(SF作品の翻訳家。ペンネームの由来となる)

外部リンク[]

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