2010年 | |
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2010: The Year We Make Contact | |
監督 | ピーター・ハイアムズ |
脚本 | ピーター・ハイアムズ |
製作 | ピーター・ハイアムズ |
出演者 | ロイ・シャイダー |
音楽 | デイヴィッド・シャイア |
撮影 | ピーター・ハイアムズ |
編集 |
ジェームズ・ミッチェル ミア・ゴールドマン |
配給 |
MGM CIC |
公開 |
1984年12月7日 1985年3月23日 |
上映時間 | 116分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $40,400,657[1] |
前作 | 2001年宇宙の旅 |
allcinema | |
キネマ旬報 | |
AllRovi | |
IMDb | |
『2010年』(にせんじゅうねん、原題: テンプレート:En)は、1984年制作のアメリカ映画。キューブリックの『2001年宇宙の旅』の続編にあたる。原作はアーサー・C・クラークの『2010年宇宙の旅』。
キャスト[]
役名 | 俳優 | 日本語版1 | 日本語版2 |
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ヘイウッド・フロイド博士 | ロイ・シャイダー | 羽佐間道夫 | 家弓家正 |
ウォルター・カーナウ博士 | ジョン・リスゴー | 千田光男 | 秋元羊介 |
ターニャ・カーバック船長 | ヘレン・ミレン | 弥永和子 | 駒塚由衣 |
R. チャンドラ博士 | ボブ・バラバン | 富山敬 | |
デビッド・ボーマン船長 | キア・デュリア | 堀勝之祐 | 納谷六朗 |
HAL 9000(声) | ダグラス・レイン | 金内吉男 | 野田圭一 |
- 日本語版1:初回放送1988年11月13日テレビ朝日『日曜洋画劇場』
- 演出:山田悦司、翻訳:宇津木道子、効果:猪飼和彦、調整:金谷和美、担当:圓井一夫
- 日本語版2:初回放送1990年11月28日TBS『水曜ロードショー』
- プロデューサー:上田正人、翻訳:高間敏子、演出:壺井正、制作:グロービジョン・TBS
カメオ出演[]
ホワイトハウス前の公園のシーンで、ベンチに座っている男性という役で原作者クラークがカメオ出演している。スタンダード・サイズに編集された版では画面外になってしまって見ることができない。また、看護婦が読んでいるシーンで使われる雑誌『タイム』の表紙には、アメリカ大統領としてクラークが、ソ連書記長として2001年宇宙の旅の監督であるスタンリー・キューブリックが、それぞれ描かれている。
スタッフ[]
- 原作:アーサー・C・クラーク
- 監督・製作・脚本・撮影:ピーター・ハイアムズ
- SFXスーパーバイザー:リチャード・エドランド
- SFX ボス・フィルム・コーポレーション(BFC)
- 音楽:デイヴィッド・シャイア
- 美術:アルバート・ブレナー
- 編集:ジェームズ・ミッチェル
- ビジュアル・フューチャリスト:シド・ミード
ストーリー[]
9年前に起こった、HAL 9000とボーマン船長の行方、そしてモノリスの謎を解明していく。
小説版と映画版の違い[]
- 映画版では、レオーノフ号以前にエウロパへ着陸した中国の宇宙船チェン号が描かれていない。代わりにレオーノフ号の無人探査機がエウロパを調査するシーンが登場する。
- レオーノフ号船長ターニャの姓が「オルローワ」から「カーバック」に変更されている("Kirbuk"の綴りを逆にすれば変更の意図が明らかになる)。演じたヘレン・ミレンは父がロシアからの亡命者である。
- 小説版ではレオーノフ号のクルーは協力的なムードの中で任務を行っているが、映画版ではキューバ危機の様な一触即発の政治状況が米ソのクルーの関係にも影響を及ぼし、サスペンス的な展開となっている。
- 小説版で描かれている木星本星の生命体が、映画版では全く描かれない。
- 小説版ではスリランカ人であるチャンドラ(シバスブラマニアン・チャンドラセガランピライ)博士が、映画版ではコーカソイド系アメリカ人俳優(ボブ・バラバン)によって演じられている。
- 映画版では木星の巨大モノリスを接近探査していたレオーノフ号の有人作業ポッド(小説版では「ニーナ」と呼称)が、地球へ向かうボーマンの意識体と接触して遭難している。
- 映画版『2001年』ではHAL9000の叛乱の原因が明らかにされておらず、『2010年』で明確に示されている。
- 小説版ではボーマン船長は15日以内に木星を離れるようにフロイド博士に警告するが、映画版では2日以内に離れるように警告する。またボーマンの出現プロセスも(当時の映像技術の限界からか)異なっている。
- レオーノフ号と別れた後、HAL 9000が地球に向けて繰り返し発信するメッセージが若干異なる。
豆知識[]
- フロイド博士がアップルコンピュータのMacintosh、Apple IIcを浜辺で使用するシーンがあり、アップルコンピュータによる映画におけるプロダクト・プレースメント(商品を映画作品などに登場させることで商品を認知させ、商品ブランドを構築する広告手法)の初期の例とされる。ただしこの製品は映画と同じ1984年発売であり、進歩の早いコンピュータ製品で作中の年代まで実用的に使われている可能性があるかどうかは公開当時から疑問視された。
- ソビエト連邦が存続していることを前提にした上に米ソ冷戦が続いているという設定で作られたストーリーのため、前作よりも物語の風化が早かったとも言える。フロイド博士が海辺で雑誌『OMNI』を読むシーンがあるが、OMNIは1998年に廃刊されている。また、前作に登場したスペースプレーンをはじめ、本作でもテレビCMで登場するパン・アメリカン航空も1991年に経営破綻し解散している。
- 主な視覚効果製作を手がけたEEG(="Entertainment Effects Group")はもともと前作で多くの視覚効果を発案したダグラス・トランブルのプロダクションだった。視覚効果監修を務めたのは『ジェダイの復讐』でILMを退いたリチャード・エドランド。視覚効果を65mmカメラで撮影するトランブルのスタイルを継承した。EEGでの仕事は他に、同じ年の『ゴーストバスターズ』があった。EEGはこの後社名をBFC(="Boss Film Corporation")と改める。
- ディスカバリー号が再登場するが、前作で撮影に使われたディスカバリー号の模型は設計図と共に失われていた。これは他の作品への転用を防ぐ目的でキューブリックが破棄させたといわれる。その為映像を基に新たにディスカバリー号が製作された。レオーノフ号関係のデザインはシド・ミードが手掛けている。
- ジョン・ホイットニーJr.率いるデジタル・プロダクションズが1984年当時の3DCGで製作した木星は雲が対流で動く上、モノリスに「喰われる」プロセスも3DCGならではの斬新な映像となった。しかしボーマン船長が姿を現すシーンはさすがに原作通りの映像化は不可能だった。
- 前作では土星の輪を映像化出来ずディスカバリー号の目的地が土星から木星に変更になったものだったが、ボイジャー1号の探査によって存在が明らかになった木星の輪も、今回は映像化が実現された。
- ピーター・ハイアムズ監督は前作でHAL9000の声を担当したダグラス・レインをカナダに訪れた際、キューブリックに「本当にHALの声でした」とメッセージを送った。そのHALの姉妹機となるSAL9000の声を担当した"Olga Mallsnerd"はキャンディス・バーゲンの変名である。
- メインテーマである「ツァラトゥストラはかく語りき」は当初アンディ・サマーズにアレンジ版を依頼し曲は完成していたが最終的に本編では使用されなかった。アンディ・サマーズ版はサウンドトラック(2010年 オリジナルサウンドトラック)に収録されており、映画公開当時に作成された彼による本曲のプロモーション・ビデオでは彼の演奏姿とともに映画本編の映像が使用されている。
- 映画制作時、クラークはスリランカに住んでおり、ピーター・ハイアムズ監督とは電子メールのやり取りを通じて映画の計画や製作について話し合った。このやり取りは、『オデッセイ・ファイル―アーサー・C・クラークのパソコン通信のすすめ(原題は The Odyssey File: The Making of 2010)』として1984年に出版された。
ギャラリー[]
出典[]
- ↑ テンプレート:Cite web
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